京つう

本/マンガ/アニメ/ゲーム  |上京区

新規登録ログインヘルプ



2014年12月01日

夢幻花(東野圭吾)

この話の中ではたくさんの事件が起こります。住宅の密集地で起こった日本刀を持った男による無差別殺人、プロ間近と言われたバンドチームのヴォーカルの自殺、一人暮らしの老人の殺人事件、そのすべての事件の中心には「夢幻花」と呼ばれる黄色い朝顔の存在がありました。
黄色い朝顔は江戸時代には普通に存在した花で、いつの日か姿を消した幻の花と言われています。復活させようとした植物学者はたくさんいましたが、成功させた人はいません。

メインの事件は老人の殺人事件です。殺されたのは秋山周治。現役時代には植物の研究をしていて、その過程で黄色い朝顔の存在も知っていました。彼は殺される直前、黄色い朝顔の栽培に成功させています。でも、その朝顔は事件が起こった直後に姿を消しました。
朝顔がないことに気が付いたのは秋山の孫で、第一発見者でもある梨乃はその朝顔の事を警察に証言しました(その時点では花の名前は全く知らなく、育てたはずの花がない、とだけでしたが)が、警察は対して取り合ってくれません。そんな梨乃に接触してきた人がいました。蒲生要介、植物学者を名乗る男性ですが、事実は違います。梨乃は彼が植物学者ではなく警察官であることを要介の弟である蒼太から聞きました。蒼太は家族が何か秘密を抱えていることに感づいていましたが、それを調べるきっかけがなかった。だから、今回の事件の謎を追いかけることにしました。今まで逃げてきた兄の隠す真実を知るために。
調べていくうちに、過去の初恋の女性との再会。ずっと昔に起きた無差別殺人の存在。次々に知る真実。
蒼太が家族の秘密を知った時、彼はずっと悩み続けていた将来の道を決めました。

一見何の関係もなさそうないくつもの事件がどこかで繋がっていることを知るたびにビックリ仰天!?え???まじで?と何度も思いました。特にたった数週間だけ関わったことのある初恋の人との再会が事件を解くカギになるとは……。
この話のすべての中心になっている「黄色い朝顔」について少し調べてみました。そしたら事実江戸時代にはあったみたいです。ただ普通に存在したわけではなくそのころに交配にたまに成功した人工朝顔みたいですが。ただ、黄色い朝顔がどうかはわかりませんが、朝顔の種に幻覚作用があるのは事実みたいです。
過去に存在した朝顔を題材にここまで物語を組み立てる東野圭吾に尊敬です。本当に楽しくて、気になって、一気に読み進めてしまいました。
彼の出す新刊は毎回楽しみですvv



Posted by Kyouka  at 07:05 │推理小説


< 2024年04月 >
S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
カテゴリ
最近の記事
過去記事
最近のコメント

QRコード
QRCODE
インフォメーション
【京つうからのお知らせ】
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
Kyouka